ITシステム構築環境の進化

ITシステム構築の環境はITとネットワーク技術の発展と共に大きく進化しています。汎用機の時代はIBM、NEC、富士通、日立などのメーカが各社独自のハードウェア、OS、アプリケーション、開発方法論などを利用者に提供していました。その後、ハードウェア、OS、DB、ネットワークなどの標準化(国際標準、業界標準)が進み、標準OSと標準MPUを搭載したコンパクトなサーバとPCをクライアントとするいわゆる「クラサバ」が普及しました。更にインターネットの普及に伴なって世界中のサーバやPC、携帯電話などがつながるようになりました。サーバとクライアントも同時並行的に進化し、クラウドコンピューティング(以降クラウドと略)の名の下に、サーバは世界に分散設置するデータセンターに集約され、アプリケーション・プログラムはデータセンターで実行し、クライアントはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットなども利用できるようになりました。

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硬直化した労働市場を見直せ

今年の年頭の挨拶で、

昨年の年頭の挨拶で「・・・ソフトウェアシステムの開発に関わる技術者が従来のような劣悪な条件下に置かれていることは日本社会の発展を阻害することになり、・・・」と述べ、地方都市の一部でこのような状況改善の方策を模索すると書きました。しかし、この問題は日本の雇用慣行に根差していることに気づきました。終身雇用を前提とした雇用慣行に縛られた、硬直化した労働市場の下では必然的に多重下請け構造が生じるのです。この問題の解決には日本の人々の意識改革が必要となります。

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ど素人による東日本巨大地震分析

続き:その後の東日本巨大地震分析

今回はプロジェクト管理とは全く異なる話題:東日本巨大地震を取り上げます。地震とプロジェクト管理は関係ないのですが、実態の把握と対策という点では同じで、いくつかの地震関連情報を見ていると注視すべき点が浮かび上がってくるものですから、場所柄をわきまえず、ここで敢えて取り上げました。

この分析を始めようとしたきっかけは3月11日地震発生後、3月12日の未明には新潟県中越地方、長野県北部、千葉県東方沖、秋田県沖などで地震が発生しているので、次に何が起きるか分からない不安を感じたからです。誰もはっきりと答えられない状況では自分でデータを見てこうなるはずだと確信を持ちたかったということや、先の新潟・長野・秋田・千葉の地震や3月15日に発生した静岡県東部の地震と三陸沖地震との関連性は分からないという専門家の発言が動機になりました。

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様変わりするIT利用

あけましておめでとうございます。

昨年の年頭の挨拶で「・・・ソフトウェアシステムの開発に関わる技術者が従来のような劣悪な条件下に置かれていることは日本社会の発展を阻害することになり、・・・」と述べ、地方都市の一部でこのような状況改善の方策を模索すると書きました。しかし、この問題は日本の雇用慣行に根差していることに気づきました。終身雇用を前提とした雇用慣行に縛られた、硬直化した労働市場の下では必然的に多重下請け構造が生じるのです。この問題の解決には日本の人々の意識改革が必要となります。

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日本のソフトウェア産業のゆくえ

日本のソフトウェア産業はどこへ向かうのだろうか。売り上げ規模が世界一になったことはありませんが、昭和40年代、50年代は米国に次ぐ規模がありました。汎用機の時代はIBMという巨人の背中を見てごまめの歯ぎしりをしながらついて行きました。しかし、平成になると、ネオダマ(ネットワーク、オープン、ダウンサイズ、マルチメディア)が普及し、それまで数億円したシステムが数千万円になり、さらに数百万円になってきました。このようにコンピュータシステムから生み出される価値の価格はものすごい勢いで下落しました。現在はクラウドコンピューティングの普及過程にあり、同じ価値を年間数万円から数十万円以下で利用できるようになると思われます。

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